イギリスSV

ロンドン大学の学生との交流

神谷結香
人間文化課程 4年

渡航も中盤に差し掛かった2月18日、ロンドン大学(London School of Economics通称LSE)の学生に対しての発表、ディスカッションなどの交流を行った。英語で自分達の調査内容を発表したり、そのことについて話したりするのは初めてだったため、とても緊張したが、その分準備を念入りに行い、学生それぞれの学びが得られた機会となった。

イギリスSV2014:LSEはロンドンの中心街Holbornに在る

LSEはロンドンの中心街Holbornに在る

イギリスSV2014:晴れた空に映えるLSEの校舎

晴れた空に映えるLSEの校舎

私たちは2013年の春から2年間、横浜市にある寿地区で、フィールドワークを進めていた。寿地区とは、戦後の横浜港湾部における労働需要を日雇い労働の供給地として支えた地域である。寿地区では現在も、その頃建てられた日雇い労働者のための3畳ほどの部屋があるビルが多く、障害を負った元日雇い労働者やホームレスが高齢化し、生活保護受給率が高く、行政やNGOなど様々な外部による介入がなされている地域である。

そのような地域の歴史や行政、医療の状況を調べていく一方で、輪読した本の中で地域における「コミュニティ」の重要性を感じた。そこで「コミュニティ」という言葉をキーワードに、寿地区の状況を調査し、まとめ、それをロンドンで発表することになった。

寿地区でのコミュニティとして、行政、医療、飲食、子どもという3つの観点で調査した。私を含む「子ども」班は、寿地区の青少年が集まる場所について調査した。学童保育の延長で運営されているその場所で、家庭に様々な事情を持つ子どもと接していくうちに、「居場所」という言葉に行きついた。その「居場所」という観点で近隣地域の同じような施設や、市へのヒアリング、子どもへのアンケートなど様々な調査を行い、充実した結果が得られた。

しかし、実際にロンドンで寿地区のことを全く知らない学生に対して発表を行うとなると、複雑すぎてわかりづらいという話になった。そのため改正、改正、改正、と前日の夜まで話し合いを重ね、いかにわかりやすく自分達の調査を発表できるか話し合った。英語の練習もしていく中で、自分の英語を分かってもらえるのか不安で、英語の原稿のチェックも何度も行った。

当日、齊藤先生による寿地区の概要説明の後、私たち学生による発表が始まった。全体に向けて行政班が発表した後、6人の小グループに分かれて、ロンドン大学の生徒3人ぐらいを相手に自分の調査の発表を行った。発表の間も生徒はメモを取ったり、頷いたりしてくれて、その後のディスカッションでも活発な質問をしてくれた。調査したことについて、英語を使って議論することはとても刺激的でわくわくする時間だった。

イギリスSV2014:3つのグループに分かれて調査発表を行う(1) イギリスSV2014:3つのグループに分かれて調査発表を行う(2) イギリスSV2014:3つのグループに分かれて調査発表を行う(3)

3つのグループに分かれて調査発表を行う

私は今回のロンドンSVを通して、自分の英語力を試す経験と、自分の価値観が広くなった。自分の英語でロンドン大学の生徒とディスカッションできたことや、生活していく中で、英語を使ってコミュニケーションが取れた。また、ロンドン大学に通う多国籍の生徒と話せたことによってさらに自分の世界が狭かったと自覚し、これからもどんどんいろんなことに目を向けていきたいと思った。