イギリスSV

ロンドンSVを終えて

小久保拓馬
人間文化課程 4年

この度のロンドンSVを振り返ると、多くの学びや気付き、人との出会いがあり、本当に貴重な経験であったと感じられる。

私自身、日本で生まれ日本で育ち、SVに参加するまで外国に行った経験は無かった。テレビや雑誌でロンドンの街並の雰囲気はある程度想像はできたが、やはり実際に行ってみないと分からないことも多い。

私たちのゼミでは横浜の寿町という地域を対象とした調査を行っている。その調査においても、実際に寿町に行くことで分かることも多く、足を運ぶことの重要性を感じていた。

その点でも、今回ロンドンに行き、その雰囲気を肌で感じられたことは十分な意義があったといえる。言語や建物、鉄道やスーパーまですべてが新鮮で、この感覚は直に体験したからこそ得られたものであった。さらに、今回は事前学習やフィールドワークにより、ロンドンの街が抱える背景についても学ぶことができたため、ロンドンという都市への理解をより深めることができた。

また、今回のSV全体を通じて、私は「伝える」という点で考えさせられるコトが多くあった。LSEでのプレゼンテーションや日常的な会話から言葉の壁が存在する中で「伝える」ことの難しさを知った。

LSEでのプレゼンテーションは昨年の11月頃から準備を始めた。寿町における「community」をテーマに調査を進めた。そして調査をまとめ終えた段階で、ロンドンでの発表に向けて原稿の英訳等を始めた。この日本語の表現は英語ではどのような表現を用いるべきか、私たちが伝えようとする内容が正確に伝えられるのか。グループで何度も調整を行い、原稿を考え、発表に備えた。グループによっては発表前日のぎりぎりまで調整を行うグループもあり、全員が翌日の発表への不安と緊張を抱えていた。当日のプレゼンテーションはLSEの学生に向けて英語で行った。内容云々以前に拙い英語に聞く耳を持ってもらえるかと不安を感じたが、LSEの学生の熱心に耳を傾けてくれる態度にこちらも安心して発表を行うことができた。また、内容についてのディスカッションも盛り上がり、充実した時間を過ごすことができ、伝えられたことに達成感を感じた。

発表以外での日常生活の中でも、言葉の壁に苦戦することは多々あった。観光、買い物、現地の方との会話の中で何度も言葉の壁にぶつかった。もちろんノンバーバルのコミュニケーションの意義も感じたが、言葉を用いてもっと伝えられるようになりたいと思うようになった。語学の重要性を知った。

これまで中学、高校、大学と英語学習をする機会はあったが、日本にいると英語を用いる機会はほぼなく、日常の中で言葉の不自由さを感じることは滅多になかった。その意味で今回ロンドンに行き、実際に言葉の壁にぶつかった経験はこれからの自分に活きてくる経験であったといえる。

また、今回のSVは私にとって初の海外渡航であった。日本で生きてきた私にとってロンドンでの光景は全てが目新しく、自分の価値観の幅というものを広げられる良いきっかけになったと感じている。自分の知らないことを知ることの楽しさを改めて知ることができた。

ロンドンSVを終えた今でも、ロンドンで感じたことは鮮明に覚えている。本当に充実したプログラムであり、大学生活、一生においても貴重な経験をすることができた。今後はこの経験、実際に肌で感じたロンドンでの学び、気付きを学習や生活に活かしていきたい。

本SVは多くの方のご協力のもと、本当に充実したプログラムとなりました。ロンドンについて私たちにレクチャーをしていただき、キングスクロスの案内もしていただいたLSEのメイス先生、プレゼンテーションをさせていただいた同じくLSEのヒュン先生と学生の皆さん、素敵な宿を私たちに貸していただいた家主の方、SVの前に事前学習としてアートを活かしたロンドンの地域再生について講義をしていただいた慶応義塾大学の横山先生、多くの支援をしていただいた大学の学務の皆さん、ロンドンでの生活から各関係者との連絡まで本当に多くの点で私たちを支えてくださった齊藤麻人先生、そして、共にSVを行った仲間。本当に多くの方のもと、このプログラムは成立していることを感じています。心からの感謝を申し上げます。

イギリスSV2014:トルコ料理を楽しむ。移民が多いロンドンには多国のレストランがある

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イギリスSV2014:宿泊先のエントランスにて

宿泊先のエントランスにて