カナダSV

カナダの食文化/カナダの鉄道

鈴木 志保(教育人間科学部 人間文化課程 3年)
梅田 眞生子(教育人間科学部 人間文化課程 2年)
水野 凜(教育人間科学部 学校教育課程 2年)

カナダの「食」について

カナダと言えば国旗にも記されているメープルを誰もが想像すると思うが、今回カナダへ行ったことで初めて知ることができた食材や料理を紹介する。

1. プーティン/Poutine(仏)

カナダSV2017:プーティン

プーティン

カナダの代表的な食事としてよく挙げられるものがプーティンだ。プーティンとはフライドポテトに肉汁から作られるグレイビーソースとチーズがかけられたもので、現地ではファストフードとして扱われている。ケベックが発祥とされるこのプーティンは、カナダ国内ではメジャーなようで、滞在中はフードコートやマクドナルドではもちろん、カフェやバーでも見かけることが多かった。

プーティンはもともと「ぐちゃぐちゃ」を意味する俗語であったほど昔は低俗な食べ物だとされていたようだが、今ではグレイビーソースだけでなくミートソースやアボカドをかけるなど種類も増え多くのカナダ国民に愛される料理となっている。

2. アイス・シードル

カナダSV2017:オルレアン島のリンゴ

オルレアン島のリンゴ

ケベック州に流れる広大な川、セント・ローレンス川にオルレアン島という島が浮かんでいる。この島の特産がリンゴであり、そのリンゴを使ったお酒であるシードル、中でもカナダの極寒の気候を利用したアイス・シードルがカナダの名産物になっている。リンゴの収穫を通常より遅めにし、凍って糖度が上がったリンゴを使用して作るアイス・シードルはとても甘く、デザートワインとして最適だ。オルレアン島で訪れたシードル工房は多くの人で賑わっており、人気の高さが伺えた。

3. ティムホートンズ

この名前は一度カナダへ行けば必ず目にするであろうファストフードチェーン店の名だ。ティムホートンズでは主にドーナツ、そしてサンドイッチやスープなども販売している。驚くのはその店舗数であり、カナダ国内に3000店以上あるという。実際、私たちが滞在した先々でその店舗を見かけ、徒歩圏内だけでもいくつもあった。値段も良心的な価格で、味も申し分ない。どの店舗も客で賑わっており、カナダ国民が愛用していることがよくわかった。ティムホートンというアイスホッケー選手が始めたそうで、そこからも国民にとっては馴染みやすいのだろう。カナダを訪れた際はぜひ立ち寄ってほしい。

4. カナダ家庭での食事

カナダの東海岸に位置するプリンスエドワード島では、地元の大学教授の家に招かれパーティーを開いてもらった。そこではムール貝やロブスター、クラムチャウダーなどの地元の特産である海産物を使ったものが多く出された。「これがアイランダー(島民)の食べ方だ」と言ってムール貝の独特の食べ方を教えてくれるほど、普段から親しみ深いもののようだった。カナダ全体とは言い切れないが、カナダの沿岸地域では日本の刺身とは違った調理法で海の幸が食されていた。

カナダは世界で2番目に広大な国であり、かつ、州によって歴史や文化、住民や民族構成が大きく違う。気候や自然も多様であり、今回訪問したのはカナダに10ある州の東部にある3州だけだ。この3州でもかなりの差異があり、「カナダ料理はこれだ」という定番はないのかもしれない。州や地域による多様さと、プーティンやティムホートンなどのようにカナダの広範囲で知られるファーストフードの混在が、カナダの食文化と言えるのかもしれない。

CANADIAN FOODS

I ate some Canadian foods during this Short Visit program. I will introduce some of them.
Poutine is one of the famous Canadian food. It is fried potatoes with gravy sauce and cheese. It is popular for Canadians that I often saw “Poutine” written on menu. There are some different kind of poutine which is using meat sauce instead of gravy sauce.
Ice Cider is a specialty goods of Canada too. Using frozen apple make a cider sweeter than usual cider. Canada’s cold temperature makes it possible. Many people were visiting to cider factory to buy it.
The most popular fast food shop in Canada is call Tim Hortons. It sells donuts or sandwiches or soups. There are so many shops in Canada and I saw it many times during this SV. It is not so expensive but tastes good.
We ate seafoods at Professor’s house in Prince Edward Island. We learned a unique way to eat mussels. Islanders seem to be familiar with those seafoods. It was a meaningful program for me that I could know about Canada culture more than learning from just only Internet.


VIA鉄道から考えるカナダの発展

VIA鉄道は、カナダ西海岸から東海岸にかけてを結ぶ鉄道である。今回、ケベック・シティを訪れたあと、モンクトンまでこのVIA鉄道に乗車した。車内に掲示されていたVIA鉄道の歴史を見ると、ケベック・シティの街がカナダの発展に関わっていたのではないかと感じた。

フランスからの入植後カナダに鉄道ができる以前は、この地域の住民はCalècheとよばれる馬車やボートに乗って移動していたが、道路状況は悪く、冬は川も氷で覆われるため、産業発達の阻害要因となっていた。そこに、VIA鉄道の源流となる、実質的にカナダ初の鉄道が1836年誕生する。セントローレンス川沿いの町ラ・プレーリ(La Prairie)からセント・ジーン(Saint Jean sur Richelieu)にかけてのわずか26キロであったが、セント・ジーンでアメリカ合衆国の鉄道に接続し、ニューヨークまで短時間で行けるようになった。これにより、物品の取引と輸送が大きく改善されたのである。

いまカナダ初の鉄道が1836年に誕生したと述べたが、実はこの鉄道の開発の礎となったものがケベック・シティにある。それが、ケーブルカーである。ケベック・シティは城塞都市として知られるが、その中心となる要塞シタデル(Citadel)を高台に建設するために設置されていたのが、ケーブルカーである。当時のケーブルカーには木製のレールが敷かれており、この木製レールが上で述べた鉄道の礎となったそうである。

ケベック・シティに現在あるケーブルカーは鉄道開通後の1879年に設置されたものだが、実際に訪れてみると、港がある平地とシタデルがある高台を結んでおり、要塞建設当時の面影を感じることができた。ケーブルカーから見える車窓からも、ケベック・シティが城塞都市であることを実感した。

ケーブルカーが開発の礎となった上記の鉄道を皮切りとして、カナダ全土に鉄道が建設され、大陸を横断する鉄道(のちのVIA鉄道)となった。この大陸横断鉄道は、物資輸送などの面でカナダの産業の発展に大きく貢献した。カナダの発展にケベック・シティの街の構造が、わずかではあるが関係していたと思うと興味深い。

VIA Rail Canada and Quebec City

VIA Rail Canada has railway lines connecting the West Coast to the East Coast. We took it from Quebec City to Moncton. I introduce about VIA Rail Canada and Quebec City.

Before railways were installed in Canada, people often took carriages or boats to move. However, roads were in very poor condition, and rivers froze over in winter. This situation prevented the industry from developing. In 1836, Canada's first public railway line was opened. This improves trade and transportation in this area.

The foundation of that railway was in Quebec City. “The foundation” is a cable car. It was built in Quebec City to help construct the Citadel, a fortress in Quebec City. The rails of this cable car were made of wood, and these wooden rails related to the installation of that railway.

The cable car which remains in Quebec City was built in 1879. However, it connects the port to the heights where the Citadel is, even now. When I took the cable car, I imagined the city in those days.

After that railway was built, the railroad network was spread around Canada, and railways connected the West Coast to the East Coast. Railways contributed to the development of Canada. It is interesting that Quebec City relates to Canada developing.