カナダSV

プリンスエドワード島

橋本果歩(教育人間科学部 人間文化課程 3年)
有吉穂夏(教育人間科学部 人間文化課程 2年)
田村麗美(教育人間科学部 人間文化課程 2年)

PEI フレーバー

私たちが、9月下旬に1週間ほど滞在したプリンスエドワード島(PEI)で、最も魅力を感じたものは島の豊かな自然と暮らしだった。
PEIはカナダでは別名、「ガーデン・アイランド」と呼ばれるほどに農業が盛んで、豊かな自然から得られる野菜や果物、牛肉や乳製品などの食材に非常に恵まれている。ラズベリーやブルーベリー、りんごなどの果実がスーパーや市場で籠に山盛りに売られている姿を見ると、思わず手に取り、購入してしまう。実際、りんごを買った友人は、甘くて歯ごたえがあり、とても美味しいと感激していた。また、島でとれた新鮮なミルクを使用したアイスクリームは、とても濃厚で、PEIブランドとして一時期日本でも支店を出したことのあるCOWsがこのアイスクリームのほか、チーズやバターなどの乳製品を生産している。更に、広大な大地で育てたじゃがいもから作られたフライドポテトは、島のレストランの主食の隣に必ずと言っていいほど添えられていた。土産としては、オーガニックの手作りジャムが大人気で、全種類のジャムを試食できる気前の良さから、お店の中は大変な人だかりであった。

カナダSV2017:PEIフレーバーのプレート

PEIフレーバーのプレート

最後に、プリンスエドワード島と言えば特に有名なのが、ロブスターやカキなどの海産物である。近海で豊富に水揚げされているロブスターとカキは、PEIブランドとしてニューヨークのレストランやオイスタバー等で高値で取引されている。品質が高い理由として、島の周囲の海水温が低いため、ロブスターやカキの身が締まることである。この2つを食べる機会があったのだが、両方とも身がぷりぷりしていて、今まで食べた事の無い感触にとても驚いた。島の特産品は、住民の日常品としてはもちろん、観光客を対象としながらも、島の暮らしを支える役割を果たしている。
PEIではこうした豊かな食材をそのまま味わったり、最小限の加工(二次的食材)にとどめることが多かったのであるが、近年、「PEIフレーバー」という食材の高品質化と「料理」の開発に取り組んでいる。地元の農産品を扱う店舗やPEI産食材で料理をつくるレストランやバーに「PEIフレーバー」のプレートを掲げて観光客などが見分けやすいようになっている。またプリンスエドワード大学(UPEI)併設のホーランド・カレッジでは「食文化と料理(Culinary)コース」が近年設けられ、PEI発の名シェフが今後見られるかもしれない。

カナダSV2017:打ち上げパーティー

UPEI島嶼研究所のジム所長(右端)に打ち上げパーティーで地元産ロブスターとカキを
振舞ってもらいました。左端の女性は国際島嶼学会会長夫人アンナ・バルダキーノさん

PEI FLAVOURS

We stayed Prince Edward Island for 7days. There was very beautiful scenery in this island.
For example, green gentle hills, lighthouse, boundless expanse of blue ocean. We could’t see this beautiful landscape in japan.
Prince Edward Island have many specialty products. For instance, vegetable, fruit, beef, and milk product. Especially, fresh vegetables and fruits are well-liked by residents. My friend liked apples. These were very fresh and sweet. The best-known example are oyster and lobster. These are popular as island’s staple over the world. As for the rest, organic fruit jam and ice cream made from fresh milk are very popular by tourists.
In this way, island’s indigenous products support resident’s life over the years. We felt rich nature environment through These learn.


モンゴメリ研究所

私たちは2017年9月15日にUPEI内にあるモンゴメリ研究所(L. M. Montgomery Institute)の研究員の方を招いて、PEIを舞台にした日本でも有名な小説『赤毛のアン(Anne of Green Gables)』の著者、L.M.モンゴメリについての研究について話していただいた。モンゴメリ研究所の方に見せていただいた本の中には、原文の英語の本だけではなく日本語で書かれたものも多くあり、さらにそれらは小説だけではなく、子供向けの絵本や日本で放映されていたアニメーションの本、『赤毛のアン』に登場する衣服や食べ物の作り方が掲載されているものもあった。
日本での『赤毛のアン』ブームは第二次世界大戦が終わった直後の1952年に村岡花子が訳した『赤毛のアン』が出版された時と1979年にテレビアニメ『赤毛のアン』放送された時に始まったと考えられる。近年ではエステー株式会社が毎年8月に全国各地で『赤毛のアン』のミュージカルを上演したり、NHKの連続テレビ小説『花子とアン』において日本で初めて『Anne of Green Gables』を日本語に訳した村岡花子を主人公にしたドラマが放送された。これにより、収まりつつあったブームが再興した。
日本では未だ人気を誇る『赤毛のアン』だが、海外においては日本ほどの人気はなく、プリンスエドワード島のキャンベンディッシュにある小説においてアンとカスバート兄妹が住む「緑の切妻屋根の家(Green Gables)」に訪れる観光客の殆どは日本人である。しかしその日本人ですら、以前のブーム時よりもPEIを訪れる人数が減少しており、今後は以前のように観光客を島に呼び込むための観光資源の発見、発案が課題であるとモンゴメリ研究所の研究員の方が語っていたことが印象的であった。モンゴメリ研究所では、1993年に創立されてから彼女の作品と生涯に関しての研究や彼女に関する事物の保護などを行っている。

カナダSV2017:モンゴメリー研究所の方々と

モンゴメリー研究所の方々と

We stayed in Prince Edward Island from September 11th to 17th. On 14th, we visited the University of Prince Edward Island (UPEI) and talked with a L. M. Montgomery Institute research worker, which belongs UPEI. She showed us books related to L. M. Montgomery. They were written not only in English but also Japanese. They were a lot of kinds of books, such as about recipes, needlework and animations. I was very surprised that L.M.Montgomery Institute had many Japanese books. Prince Edward Island is popular for “Anne of Green Gables” among Japanese people. However, the researcher said the popularity decrease these days. She insisted that they should find new tourist attractions instead of “Anne of Green Gables”