ピラポ移住地は、パラグアイ日系移住としては4番目に建設された移住地である。戦後に建設された移住地としては、チャべス移住地、フラム移住地に続いて3番目に建設された日系移住地であり、比較的新しい移住地である。ピラポに日本人が移住する前は、原始林で覆われていた土地であったが、日系移住者達の努力により現在のピラポ日系移住地として整備された。
ピラポへ移住が開始された1960年から、第28次を迎える1965までの間に第331家族、1,777人が日本より入植した。移住地内の景気の変動や開拓生活の困窮、または結婚分家などにより都市部や他の移住地への転住もあり、2008年時点では、入植定着数は239家族、1249人となっている。現在の移住地の総面積は約84,000ha、うち日系移住者による所有面積は約53,000ヘクタールである。
本渡航において、パラグアイの日系移住地ピラポを四日間にわたり訪問した。前半二日間は、ピラポ日本人会事務局長の佐藤満さんのアレンジのおかげで、移住地内外の視察、移住地の青年部や高齢者の方々との交流が実現した。後半二日間は、各ホームステイのホストファミリーとのフリータイムを楽しんだ。
ピラポ日本人学校の中学生とカルタをする
11月14日ピラポに到着してからまず案内して頂いたのは、日本語学校である。今回は日本語学校の中学生と交流する機会を頂いた。日本で渡航メンバーが準備していった「日本の四季」についてのパワーポイントの発表をしたり、仲を深めるために漢字かるたやサッカー、ハンドボールといったスポーツも一緒にやった。11月15日は、ピラポから車で少し行ったところにあるアルゼンチンとの国境の町エンカルナシオンという地域を案内して頂いた。隣国であるにも関わらず、アルゼンチンはパラグアイとは打って変わって高層ビルの立ち並ぶ都市といった感じであった。11月16日は午前中、ピラポ移住地内の主要施設を案内して頂き、お昼は日系一世としてパラグアイに渡ってきた高齢者の方々との交流会があった。渡航メンバーがソーラン節を踊ったり、皆で一緒にピラポ盆踊りを踊ったりなど歴史や文化に触れることができた。昼食の後は、日本人会の移住資料館の見学もさせて頂いた。また、16日の夕方から17日は終日にわたってホームステイをさせて頂いた。日系の方々の優しさに触れ、いろいろな体験をさせて頂いた。この恩は必ず返したいと感じており、とても充実した四日間であった。
ひまわりの会の方々とピラポ音頭を踊る
横浜国立大学 学生の滞在期間中の日程(2015年11月14〜18日)
11月14日(土) |
12:30頃 ピラポ到着。 13:00〜15:00 日本語学校中学生に対するプレゼン及び交流。日語幼稚園園児との交流。 19:00 歓迎会(日会役員出席)みなみ食堂 日会宿舎にて宿泊 |
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11月15日(日) |
朝食:自前 宿舎で準備。 世界遺産Trinidad遺跡、エンカルナシオン市Costanera見学。 18:30〜 日会青年部との交流。 22:00 日本人会宿舎 宿泊 |
11月16日(月) |
朝食:自前 宿舎で準備。 移住地内主要団体訪問及び施設等見学。 10:30〜13:30 高齢者の方々との昼食交流会。 昼食を挟んでの交流(昼食はひまわり会が準備)。 昼食後 宿舎にて休憩(自由行動) ホームステイ先へ移動のため荷物まとめ 宿舎の掃除 17:30 各自ホームステイ先へ移動 |
11月17日(火) |
ホームステイ 各家庭ごとにフリータイム。 食事はホームステイ先で。 |
11月18日(水) |
早朝 貸切バスにてイグアスの滝へ 青年部有志が同行。 夕方〜夜 イグアスホテル着(宿泊)。 青年部はFozに一泊。 |
三年目の開催となるSVパラグアイ渡航の中で、数日間にわたるピラポ移住地での活動は二回目であった。最初に訪問したラ・コルメナ地区とは異なり、近々55周年を迎えるピラポはパラグアイの日系移住地としては比較的新しい地区である。高齢者との交流では日本からパラグアイに移住した契機、移住当初から現在に至るまでの幅広いお話を聞くことができた。また青年部や佐藤満さんはじめピラポ日本人会のバックアップにより、ピラポ移住地内の主な施設、生活を知ることができた、そしてエンカルナシオンやトリニダ遺跡に連れていって頂き、多岐に渡る体験を得ることができ、非常に有意義な時間をすごすことができた。このように、日系人の方々と交流を図ることによって相互に得るものは多く、来年度以降も継続してピラポ移住地との交流を図り、相互的に関係性をいっそう強固なものにしていきたい。