去る2013年12月8日から16日の約一週間に渡り、横浜国立大学の「グローバルスタディーズ・プログラム」の一環として、ショートステイでの訪日団がフィリピン大学(UP)から10名ほど来日し、我々の所属する教育人間科学部人間文化課程の国際社会学スタジオのメンバーをメインに、下記のような日程で交流を行った。様々なワークショップや英語でのディスカッション、レクチャー、様々な施設見学などのフォーマルな交流だけでなく、観光案内ツアーや食事の場などのインフォーマルな交流も通して、我々日比の学生間の交流を深めるとともに、それぞれがそれぞれの興味や問題意識に対して考えを深めていくこととなった。
朝、授業の都合がつくメンバーで横浜駅にUP生を迎えに行き、横浜国立大学を案内。初の対面にやや緊張しながらも、学校内でお話をしながら一緒にランチをしました。
メンバーである大方のYNU生の授業が終了した4限の時間(15時くらい)から、大学付近にあるコミュニティハウスをお借りして、YNU生、UP生それぞれが用意したパワーポイントなどを用いて、それぞれの自己紹介と各大学を紹介し合いました。
その後、日本文化紹介として、UP生と共に折り紙と習字をしながら交流。女性メンバーには、YNU生で着付けのお手伝いをしながら、浴衣の体験もして頂きました。
18時頃、そろそろお腹も空いてきた!ということで、ウェルカムパーティーがスタート。立食をしながらそれぞれ自由に交流をしました。用意した手巻きずしが好評だった模様。
フィリピンにおいて一つの課題ともなっているゴミ処理問題。日本のゴミ処理場を見学し、フィリピンとの違いや日本のゴミ処理のしくみや技術に驚いていたようです。
14時半から、横浜国立大学のメディアホールにて、「フィリピンにおける日本と日本におけるフィリピン」というテーマでワークショップを開催。YNU生とUP生を混ぜた5〜7人のグループに分かれて、英語でディスカッションをし、日比の文化のイメージや違いについて語り合いました。
ワークショップを終え、理工学部の方の学食(二食)で一緒に夕食。慣れない英語に苦戦しながらも、だんだんとUP生との距離も縮まってきました。
UP生が能を学んでいるということに関連して、横浜能楽堂を見学。いわゆる「日本文化」の能でありながら、我々YNU生も能楽堂に訪れるのは初めてで、非常に興味深いものがありました。
2011年3月11日に日本で起きた「東日本大震災」、あるいは2013年11月にフィリピンを襲い、多大な被害を出した台風第30号「Haiyan Yolanda」を通して、自然災害というものが極身近なものとして実感される機会を経験した我々YNU生、UP生。今回はUP生側の希望で、東京臨海広域防災公園を訪れました。そこでは災害に関する幾つかの問いを考えながら首都直下地震の発災から避難までの一連の流れを体験できる「東京直下72h TOUR」というツアーをはじめ、防災施設の中にあるオペレーションルームや世界の防災用品・各種防災ゲームの展示を見学・体験。それぞれがそれぞれの立場で「災害」、あるいは「災害支援」というものについて考えを巡らせました。
我々YNU生が通常の授業を受けている間、UP生は日本語のレッスン。UP生のあまりの日本語の上達の早さに驚くばかりでした。
日本での東日本大震災やフィリピンでの台風「Haiyan Yolanda」の例を元に、「災害支援」や「防災」というテーマでレクチャーを受け、それを元に英語でディスカッションを行いました。フィリピンにおける災害支援や防災の実情を知り、フィリピンにおける災害支援の多様さやユニークさ、あるいは防災面での課題や問題点を含め、日本との差異を感じるとともに、お互いの国の災害支援や防災体制からそれぞれの課題などを学び、考えました。
まず、大まかにJob Satisfaction(職業満足度)についてプレゼンテンショーンを行った後、「職業において最も重要視することは何か」というテーマで
① Job Quality
② Work/Life Balance
③ Opportunities to Learn and Grow
④ Camaraderie with Coworkers
⑤ A Good Relationships with the Boss
⑥ Other
という6つの選択肢を設定し、UP生とYNU生を交えた4〜5人ほどのグループを構成し議論をしました。グループで6つの選択肢の中から1つに決定し、グループごとに発表をし、日比、あるいは男女の労働観や労働環境の違いを感じ、それぞれがそれぞれの立場で考えを深めました。
ワークショップを終えて、横浜の代表的な観光地である港未来を案内。ちょうどこの日はコスモワールドにある観覧車が動いておらず、UP生が乗りたがっていた観覧車に乗れなかったことは残念でしたが、夜景を楽しみつつ、主にクリスマスムードに包まれた赤レンガ倉庫を観光しました。夕食に食べたラーメンが、冷えた身体に染みました。
UP生がフィリピンでも学び、日本に来てからもレッスンを重ねていた能の練習の成果を、私達YNU生に披露・発表してくれました。その真剣な演技には一同が圧倒されました。
まず初めに横浜国立大学のメディアホールにて茶道についての軽いプレゼンを行い、お茶室に移動してお茶会を開催し、代表的な日本文化の一つである「お茶」の文化を楽しみました。
UP生が主催となり、「US military impacts on the Philippines」というテーマでプレゼンテーションを受けたあと、日本とフィリピンにおける米軍基地の実情をふまえた上で、5〜6人のグループに分かれて英語でディスカッションを行いました。米軍基地があることのメリットやデメリット、あるいはその影響について考えを深めました。
ワークショップを終え夕食を食べた後は、日本において代表的なポピュラー文化とも言えるであろうカラオケを通じて交流を深めました。カラオケで一通り盛り上がった後は、近くの温泉で汗を流しつつ共に日本の風呂の文化を楽しみました。
前もってUP生にどこへ行きたいかアンケートを取り、その中で希望の多かった皇居、秋葉原、渋谷、お台場を1日かけて観光しました。秋葉原ではアニメやマンガ、渋谷では特に「ハチ公」が人気でした。お台場では最後に花火を見ることも出来、大きな打ち上げ花火が一日のツアーを締めくくってくれたかのようでした。
同時期にショートステイでの訪日団として日本を訪れていたカリフォルニア大サンタクルーズ校の学生と共に、横須賀にある米軍基地を見学(UP生のみ)。ちなみに、この間YNU生は、この後のFarewell PartyでUP生にサプライズで渡すメッセージ入りのアルバムを作成していました。
ビュッフェを食べながらビンゴ大会を終えた後、UP生1人1人に修了証が手渡され、UP生それぞれが一人ずつ短いスピーチをし、この一週間の出来ごとをまとめたスライドショーを流し、この一週間のグローバルスタディーツアーを振り返りました。最後に、UP生には内緒で作成していたメッセージ入りアルバムを渡すと、UP生が日本語で作詞作曲をした歌をプレゼントしてくれ、感極まる場面もありました。