パラグアイSV

2016年度パラグアイ・ブラジル渡航を終えて

近藤眞央
教育人間科学部人間文化課程 2年

私たちは、このパラグアイ渡航に向け、2016年3月ごろから約半年間準備を続けてきた。今年の渡航メンバーには、パラグアイ渡航が二度目のメンバー、半年間パラグアイに滞在していたメンバーもおりスムーズに行うことができる部分はあった。しかし、メンバーの多くが現地での国際協力経験がなく、不安に感じることが多くあったと同時に今まで見たことのない風景、経験のない活動など期待に胸をふくらませパラグアイに向かった。

パラグアイに滞在した1ヶ月間は、毎日がとても充実していた。いままで日本ではしたことのないような経験ばかりで毎日が新鮮で、メンバー全員が心の底から今回のプログラムを楽しむことができていた。

メンバーの皆が楽しむことができていた全日程の中で、多くのことを学ぶことができた。それは中には辛さを伴うものもあったが、とても貴重な経験であったと今では感じることができる。

一つ目に、「自分たちは周りの人たちにお世話になって、過ごしている」ということをとても感じたことだ。パラグアイ渡航には、とても多くの方々に関わって頂いていた。先生や現地通訳・コーディネターの方々、大学で様々な手続きを行ってくださった方々、訪問した大学の方々、ホームステイをさせていただいた方々など数え上げきれないほど多くの人にお世話になった。到底学生だけで調整できるような工程ではなく、自分たち以外の人たちの力で今回の渡航を行うことができたということを大きく感じた。周りの方々との、人と人とのつながりの大切さを肌で感じることとなった。

二つ目に、「パラグアイに住む人々の温かさ」を感じることができた。パラグアイの人々は、時間に追われ忙しく暮らす我々日本人にとって、とてもゆっくりと生活していると感じた。そのゆっくりさが日本にはないいいところであった。日本と違い、パラグアイでは時計がほぼ見当たらず、時間に制約されない生活をしており、家族との時間をとても大切にしていた。家で一緒に生活していても一緒にご飯を食べないこともある日本人に対し、いつも家族揃ってご飯を笑顔で食べる姿は、とても印象的でうわやましくも思った。それは、今の日本に住む人々が忘れてしまったかもしれない家族の大切さや人間本来の生き方を再発見することが出来たのかもしれない。

最後に国際協力の難しさを肌で感じることができた。私たちは普段のスタジオ・ゼミで国際協力に関する論文や書籍を読み、渡航のためにも調査手法などの勉強もした。今までの準備、勉強を生かし実際の現場に活動することができるチャンスであった。

しかし、実際に活動してみてわかったことは、思いの通り活動することは出来ないということであった。言葉がイメージ通り通じない、予定していた活動が突然の予定変更で行うことができないなどもどかしい思いをすることが多くあった。この経験はもし、日本で知識をつける勉強ばかりしていては、絶対に経験することのできないものであった。先生が私たちの前で度々口にする「答えは現場にしかない」という言葉を毎日のように肌で感じた。自分自身は、納得のいく活動ができず涙を流してしまうこともあった。国際協力を現地で行うということ、そしてその難しさを学部生の私たちが実感することができたことは、国際協力を今後考えるための貴重な財産となるだろう。

パラグアイSV2016

このように悩み、難しさを感じると同時に、学生の国際協力の可能性を感じることもできた。今までの学生による国際協力のイメージとして、技術もお金もないため、できることはとても少ないというイメージを自分たち自身も持っていた。しかし、今回クラウドファンディングのプロジェクトを達成させたことは自分たちのような学生の国際協力の可能性をより広げることができたのではないかと感じている。

今回の渡航を通して、学部生13人が学んだこれらをゼミ・スタジオで生かし、今までよりも深い学びを行っていこうと感じている。さらに、その学びを生かし今後の活動、国際協力活動に限らず様々なことに挑戦していこうと思う。